妊娠・出産7

カニババ編】

 “カニババ”というのは宿便のことで、妊娠期間中に溜まった老廃物のことをいいます。晴れて誕生したときはまず、カニババを出してから食事を与えるのが大切になってきます。カニババが出る前に何か与えてしまうと、排泄が促進されないどころか時にはストップして、体内に残ることもあります。実際にカニババを見ますと、こんな汚いものが残るなんて何かしら影響がありそうでとてもこわいです。


 便秘の基本的な考えも食事をおさえることです。便を作る腸にしっかり働いてもらう為に、「胃袋さんはちょっとお休みしましょう」と食事を控えめにするだけで意外と効きます。


 しっかり出しさえすれば、食べたいと言う要求と共に摂取するので吸収がとてもいい。そして日に日に大きくなります。ただし、お母さんの母乳が出ていないと親子で泣くことになります。カニババ→母乳と連動していかないといけないのですが、そのためにはしっかりおっぱいを“吸わせる”ことが重要です。


 初めてにもかかわらず、赤ちゃんはすぐにおっぱいを求めます。しかし最初から出るわけではなく、吸っているうちに段々出てくるのです。そして出せば出すほど濃くなって、成長と共に必要な栄養と量にピタリと合います。


 最初おっぱいを吸わせるのは大変痛いらしいのです。乳首だけではなく、それが子宮に響きます。広がった臓器は元に戻ろうと収縮するときに痛みを伴いますが、これが乳首と連動していて、吸うと“キュ〜っと”閉まってきます。当然それを囲っている骨盤も合わせて閉まりますので、子育てをすることでお母さんの体は元に戻っていくのです。


 このことから、骨盤の閉まり方によって母乳の出方が変わってきます。赤ちゃんの要求する母乳は、お母さんの骨盤の閉まり具合にかかっているといっても過言ではないと思います。だからこそ、しっかり骨盤を守る為に“立ち上がり”にはとても神経を使います。これについては、またの機会にしまして、カニババをもう少し詳しく話します。

 
 カニババは最初生まれてすぐに出します。これが1回目。このときの量は差ほどではありませんが、一日たったとき(ちょうど24時間でした)ものすごい量がでます。これで2回目。まだフィットしないオムツの脇からもりもりあふれてくるほどです。このときに測っていた両方の体温がピタリと合って、「ひょっとしたらちょっと起き上がっていいかも」とカニババの処理と一度目の立ち上がりが一致しました。


 そのうちにチビリチビリ母乳が出始めます。これが“初乳”というやつで、少し黄色がかった感じで、それを飲むことで赤ちゃんは中毒を起こして、さらにぶりぶりと出すのです。これが3回目。


 ここからが整体指導者として本領発揮のところですが、我々は中毒や排泄を促すときに活を入れる急処を知っています。ここに導気することで最後の最後が出るのですが、私が散々やって帰った後に出たそうなので、確認はできませんでした。何でも“ドバッ”と吹くような感じで、少し普通の便と混じるそうです。これが4回目。


 こうして4回に分けてカニババは出ましたが、赤ちゃんによって差はあると思います。ウチの場合は4回ということで、必ずではありません。どこが最後かは、“ドバッ”という感じと、普通の便がちょっと混じるということです。一番間違いないのが、お母さんが「あっ、これで全部出た」と思うらしい。(これについても私にはわからん!くやし=)


 要するにお母さんがこれで良しと思えば良し。男は基本的に出番はありませんね。ただわからない場合や不安なときは、「大体4回を目安に最後は普通の便が混じる」という程度の知識でよろしいかと思います。