妊娠・出産8

【お乳と立ち上がり編】

 お乳をどの位与えるか?何時飲ますのか?
この問題について、男はわかりにくいのですが、女性はこのとき野生に帰るので“勘”で「今だ」、「よし」とわかるそうです。(これについては、さすがにかないません)


 初めは出ないおっぱいを吸っては寝て、吸っては寝て、を繰り返しますが、実際には飲んでいないので、体重が減っていきます。次女の場合300グラムほどやせて、その後出始めと共に70グラムづつ増えました。おおよそで3日目からしっかり出てきましたので、一日100グラムぐらい減ったことになります。


 まだでないからといって、この時しっかりおっぱいを吸わせないと、母乳が促進されません。おっぱいを吸う事で開いた子宮が収縮し、同じく開いた骨盤も閉じていきます。合わせて“肩甲骨”“後頭部”も開いていますが、用事が済めば閉じてもとの状態に戻っていきます。


 このときに大切なのが、「しっかり吸わせることと、閉まっていく体の動きをじゃましないように横になっている」ことです。

 
 出産は大変体力を使うため疲れます。そして開いた体が元に戻るのに時間がかかります。10ヶ月もかけて変身した体がいきなりポンと戻るわけではありませんので、しっかり休むことが大事なんです。その元に戻る過程で、起き上がってしまうと閉まる動きがストップしてしまいます。


 では、いつ起き上がるのか?これがとても難しい問題で、ずっと寝ていろといってもトイレや赤ちゃんのお世話など限りがあります。無理をして起き上がってしまうと閉まる動きがスットップしてしまうので、注意が必要です。ですからこのときは手伝いが必要です。


 我が家の場合は助産院で産みましたので、助産婦さんがいつでも手伝ってくれる状態でした。ある程度のことは任せて、立ち上がりとおっぱいを吸わせることに集中しました。


 立ち上がりのタイミングを見つけるには、両方の脇に体温計をさして計り、両方の体温がそろったときに起き上がるのが基本です。今閉じていますよというときは、そちら側の体温が高くなります。右の骨盤なら右の脇が高い。


 左がずっと同じ体温が続いて、右が少し高い状態で計るたびに多少の変動があります。左が36.6で固定しており、右が36.9 37.1 37.0 など。この数値を見ると、今動いているんだなぁとわかります。左右差があるときは寝ていて、そろったら起き上がってみる。これが立ち上がりの基本です。


 当然苦労するのが“トイレ”です。寝たままでは出来ないそうです。できないというより出ないらしい。尿意はあるものの出ないという苦しい状態になります。しかし「ちょっとだけ」といって立ってしまうと、そこで骨盤の動きが止まってしまいます。これが後々響いてきますので、なんとかならないかと思っていたところ、助産婦さんが管で尿を取ってくれました。これは本当に助かりました。ありがとうございます!


 やがて左右がそろうときが来ました。何度か揃うのですが計りなおすたびに違ったり、多少の誤差がるので、3回目に揃ったときに立ち上がります。丁度その時大量のカニババがでて、起き上がって取ってあげたそうです。

 
 その後、体温に差が出始めますのでまた寝ます。そして揃ったら起きるとそのようにしてみました。経産婦の場合は動きがいいので、「1回目の立ち上がりで後は好きにしてよい」ということですので、無理しない範囲でゆっくり過ごしました。


 この動きがいいのが実感できるのは、おっぱいを吸わせるときに収縮する子宮の痛みが、一人目のときより数倍痛いそうです。さらに3人目はもっと痛いとか。体が動きを覚えている為に早いのです。


 うまく出来ているなぁ〜と感心しました。あれこれ工夫するより、自然に任せていれば万事うまくいくようになっているということですね。


 何かこう、一生懸命になって苦労した方がよさそうな気がしますが、“ほっておいて勝手にそうなる”ということの方が、不思議に思えてくるほど、自然というのは現代では珍しいことなのかもしれません。