妊娠・出産9

【産後を考える】


 産後お母さんの体は徐々に元に戻っていきます。この時無理をすると、戻る動きがストップしてしまうので、無理は禁物です。十分に休むということですが、人が一人休むということは周りの誰かがその分を補わなければならないということです。



 昔の人も口をすっぱくして言いますが、「産後無理すると一生の病気」ということで、

特に“水仕事はしてはいけない”
“最初の頃は暗い部屋で寝ている事”この2点が重要だといいます。



 これを整体学的に説くと、水仕事に関しては“刺激”というものもあると思いますが、水仕事をする姿勢にあるといえます。産後の骨盤がまだしっかりしていない時期に、前かがみの姿勢で水仕事をするのは大きな負担です。それだけではなく、閉じる骨盤の働きを妨げることにもなり、やらないに越したことは無いと思います。


 すると、いままでやっていた家事をだれかが代わりにやらなければならないので、おばあさんは必要です。里帰りも体の方から考えればたいへん意味があることです。


 その前に骨盤が左右で揃うことが需要で、そのために立ち上がりの時期を重要視します。なるべくそれに近い形に近づける方法は休むことです。起き上がってはいけない。寝ていることです。(詳しくは妊娠・出産6http://d.hatena.ne.jp/zi-zi/20090214/p1を参照)


 しかしこの休むという行為がなかなか出来ない。特に2人目ともなると上の子の世話や赤ちゃんのお世話と、やることが沢山あって、「自分の体どころじゃない」ということでたいていは起き上がってしまう。


 一生のうちのほんの僅かな期間をどう過ごすかで、今後の人生をも変わってしまう産後という時期は、とにかく気をつけるべきです。お母さんの代わりを何とかして手伝える環境と、周囲の理解が実は出産に対して準備することであり、また必要な事であることを指導に加えたいと思います。


 ただ、絶対こうだ!こうあるべき!と押し付けると、それがプレッシャにーになって、かえって迷惑がかかることもあるので、せめて立ち上がりだけでも知識として知っておいても良いと思うわけです。



 比べるわけではありませんが、産後をしっかり休んだ場合と、そうでない場合だと、お乳の出に差があると思います。とにかくお乳で育てるとコロコロ太ります。それでいて、顔はぷっくらしながらもしまっています。お母さんの調子も経過も立ち上がりと、その後の過ごし方でずいぶん違うように思います。


 知識として知っていたものを経験できたので、いよいよ自信が出てきました。こんなに違うものかというのが正直な感想です。整体の指導を受けに来た女性には、
“元気な赤ちゃんを産む”
“産後はより美人になって活き活きとした人生を”
そうでないと整体を指導したということにはならないのではないか?


 整体は「単に痛みを取るだけのものではない」という意味がこういうところにあるのだと私なりに思います。こうした人生をトータル的に見た中で、指導をしていかないといけないのだと、出産を期に思い知らされた事です。