育児5

 【入浴編】

 赤ちゃんのお風呂は“洗う為”ではなく一つの運動です。そして回復を待つお母さんはお風呂には入れませんから、これはおばあさんか男の役目です。

 朝は何ともなかったのに夕方になると、顔の辺りの皮がむけて、パサパサになっていることがあります。それだけ代謝がいいのでしょうか、毎日むけては戻ってと、次の日には元通りなんてことはざらです。


 ですから“洗う”というよりも、熱を利用した運動と考えるべきでしょう。まだ自由に動けない見ですし、赤ちゃんの運動はお風呂ではないかと思います。それが適温だったら、とても気持ちよさそうなうっとりとした顔になります。

 
 “洗うのか?”

 入った瞬間にバアァーっと垢がお風呂に広がりますので、ちょっと顔や脇、顎の周りなどぬぐう程度です。石鹸なども使いません。(垢だらけになりますので、ほかの家族には迷惑がかかりますが、これぐらいは勘弁してもらいましょう。)

 赤ちゃん用のお風呂がありますが、やがては大きいお風呂にはいりますし、また密着して入れるので赤ちゃんはとても安心します。下手にベビーバスで入れるより、くっついて一緒に入ったほうがはるかに楽です。

 助産院では専用のお風呂で助産師さんが入れてくれました。とても上手い。さすがです。私は助産院から帰ってきたその日から、みんなと同じお風呂に入れました。そもそもベビーバスは持っていませんし、上の子も大きいお風呂で育てました。


 気をつける点は“お腹が密着しているか”と“話しかけながら”だと思います。手ぬぐいや綿をお腹にかけて入りますが、それでも離れれいると怖がります。まずは後頭部を支えて首を守り、逆の手でおしりから脇の辺りに手をフィットさせて、自分の胸にお腹を密着させて入ります。


 まだ目が見えていない時期は、何をされているのかわかりませんから、全部話しかけてから行動し、また行動しながら話しかけます。


 「さあ、いまからお風呂にはいるよ」
 「温かくて気持ちのいいお風呂だよ」

そしてまずは自分が入り、

 「ああ、気持ちがいい」
 「一緒に入ろうね」
 「足からはいるよ」
 「だんだんはいろうね、だんだん、だんだん・・」
 「ああ、きもちがいい、あったかいね、」

という具合に。
 すこし恥ずかしいですが、いきなりぼちゃんだとびっくりしちゃいます。


 またふにゃふにゃしていますから、フィットさせるにも少しコツがいります。ただひきつけると力になってしまうし、力むと赤ちゃんも変にこわばります。

 例えると、ふくらませたビニール袋に、中途半端に水を入れたものを抱えているよううな感じで安定しません。後頭部と抱えている手で少し引き合うようにするとフィットします。


 気持ちがいいときは「ふわぁ〜」とあくびをします。怖いときは、「ハフ、ハフ、ハフ」と息が荒い。お風呂で緊張させないように、始めのうちは恐怖を与えないことに気をつけて入れます。

 ですから、洗うことはずっと後の話です。そうでないと、お風呂のたびに泣かれて、親子で泣くことになりますので基本的に入れるだけで良いと思います。

 
 どのぐらい入れるのか? 温度は?などありますが、その時の赤ちゃんの状態によって違うので、感覚を研ぎ澄ませて勘で入れます。入れる方も上手くなってきますので、赤ちゃん同様、お風呂が楽しくなってきます。

つづく。