習った通りにはいかないもの

 新患さんが来ました。
一人のはずが2人できます。
「付き添いの方かナ」
そう思って迎えると、背の曲がったおばあさんとその娘らしき人。
登録票を書いてもらうと92歳!
当室で3人目の90代です。
最高齢で明治の人がいますが、昔の話をすると未知の世界です。


さて、整体ですが、
座ってください。
うつぶせになってください。
仰向けになってください。
など全部できません。

習った整体法ではこういう場面が想定されていないので、
困るわけです。


「いつも寝るときの格好でかまいませんから横になってください」
と伝え、みていきました。

整体は型で体を診て操法しますが、
知っている形ではこの場合みれないのです。



さて、どうしたものか・・・?



「跨って型で取れるところが急処であろう」

「とにかく大きい呼吸がはいればいいのだ」
の2点に気をつけて工夫してみました。


私にとってはそれなりに行ったつもりですが、
本人の感じとしてはいかがなものだったのか?
しかし明らかに大きい呼吸が入ったので、これでいいのではないか?


心の中の不安とはよそに
「はい、よろしゅうございます」
とはいったものの、これでいいのだろうか?

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想定外の方が来るのが臨床です。
要するに異常を抱えた方が来ます。
稽古では正常をみています。
「正常を知らなければ、異常はわからない」
そのように教わっていますが、
さすがに正座、うつぶせ、仰向けができないとなると、
想定外すぎてわからなくなります。


どのように診たらいいか聞いてみたいところですが、
ひとりひとりみんな違うわけですから、
答えようが無いな。
と思うのが僕の意見です。


型の重要性を改めて感じさせる良い日でした。